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紅ノ蝶

紅ノ蝶

Don't say you




放課後、十代目の補習が終わるまで応接室に行くのがいつの間にか俺の日課になっていた。



応接室にはアイツがいる。



並中の風紀委員長、雲雀恭弥。



『並盛の秩序』、『最強の風紀委員』で有名な雲雀恭弥が俺の恋人だなんてやはり笑ってしまう。



自然こぼれてしまった笑みを戻してから、応接室までの道を歩いた。


















*****


普段から生徒が寄りつかないから、廊下は静まり返っていた。


ノックをしないで入るのはいつものことなのでドアノブに手を掛ける。


「雲雀いるか………って………。」


ドアを開けて入ってまず目に飛び込んだのは2つの影。




胸が少しざわめいた。




「隼人。」


「よぉ、スモーキンボム。」


2つの影の正体はこの部屋の主の雲雀とヘラヘラと笑ってあいさつした跳ね馬だった。


「てめーら、なにしてるんだ…?」


俺が聞いたのは言うまでもない。














だって雲雀が跳ね馬を壁に押し付けていたのだから。















言うならば、迫っているように。
















心臓の音がうるさい。




「ちょっと話し合いをね。」


「な、話し合いでそんな態勢になんのかよ!!!」



雲雀に飛びかかるようにして胸ぐらを掴んだ。



今度は胸の辺りがチクリとした。



「…それがなったから今の状態になったんだけど。」



溜め息混じりに話されカチンときて勢いにまかせて怒鳴りつけた。










「てめーは俺にだけ手ぇ出してればいいんだよ!!!」









「えっ…?」


「あ…。」

















今、俺なんて言ったんだ?















「な、えっ、あの…。今のなし!」



とんでもなく恥ずかしい事を言った気がする。



ものすごく恥ずかしくなり、部屋を出ようと体を返そうとしたが腕を掴まれ体ごと引っ張られた。


気がつくと俺は雲雀の腕の中に収まっていた。




「と言うわけで。」



ぎゅっと抱きしめる力を強くしながら雲雀は目の前の跳ね馬に向かって言葉を続けた。



「隼人は僕が好きなの。だから、変な手出すのやめてくれない?」



「なっ!?」



何を言ってるんだ?こいつは。



「でも俺はあきらめないぜ。」



「ちょっ、何の話だ?雲雀が跳ね馬を襲ってたんじゃねーのかよ。」



「はぁ?なんで僕が隼人以外を襲わなきゃならないわけ。」



先ほどよりも深い溜め息をつかれた。



「じゃあ、何の話だよ。」



「君の話だよ…。」



「へっ?」



「恭弥に『獄寺を俺にくれ』って話してたんだ。」



「ええっ!!??」



予想外の答えに声が少しうらがえってしまった。



「わかった?だから、僕があの人の息の根を止めようとしたらああなったの。」



「う、うん///」



勝手に勘違いしている事がわかり、穴があったら入りたいほど恥ずかしい…。



「ちぇっ。今日のところは帰るとするか。獄寺、また来るぜ。」



語尾にハートマークがつく勢いで話しかけられ背中がゾクッとした。





「………。」





バタンとドアが閉じる音と同時に跳ね馬は応接室を出て行った。



「隼人…。」



「何だよ。」



抱きしめる力が強くなり耳に温かい吐息があたる。



「僕は隼人にしか興味ないから。」



「っ/////」



そう呟くと雲雀はチュッと頬に軽くキスをした。



































『俺もお前しか興味はねぇんだよ…。』



そう思ったけれど、口に出せるのはいつになるのか。


ただ言えるのは今の俺にはまだまだ言えないと言うことだ。
























































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2008.6.1
テロリストで忍チンが教授に言ってた言葉です。
「てめーは俺にだけ手ぇ出してればいいんだよ!!!」
ぜひとも獄に言わせたいと思いました☆
忍チンはかわいいですよvvv
ほかにも言わせたいのがあったら書きたいなー。
ディノさんは獄のことを狙ってると見せかけて、雲雀さんを・・・でも面白いかも。



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